偉大なるマルグリット

ストーリー イメージフォト 彼女の歌声には、本人だけが知らない〈秘密〉があった──。

ストーリー

1920年、フランス郊外にあるマルグリット・デュモン男爵夫人の邸宅で、サロン音楽会が華やかに開かれていた。辛口評論で有名な新聞記者のボーモンが招待客の貴族たちに紛れ込んでいた。いよいよ主役のマルグリットの登場となり“夜の女王のアリア”を歌い出すと、ボーモンは唖然とする。マルグリットは壊滅的な音痴だったのだ。しかし、貴族たちは礼儀にのっとり拍手喝采を贈る。その輪の中には、わざと遅れて帰宅した夫のジョルジュの姿もあった。

翌朝、ボーモンは新聞に「心をわし掴みにする声」と大絶賛の評を寄せる。マルグリットは大喜びで、お礼を言うためにパリへと走る。実はマルグリットに近付くためにボーモンは書いたのだが、彼女の奇跡的な無邪気さと大胆さに魅了されたのは嘘ではなかった。

一方、ジョルジュはそんな妻が理解できず、妻の友人と浮気していた。愛する夫に相手にされないマルグリットは、歌と並ぶもう一つの生き甲斐である、憧れのオペラのヒロインになりきった“撮影会”に没頭する。そんな折、マルグリットはボーモンから、パリで開く音楽会に出演しないかと誘われる。邸宅以外で歌うなどとんでもないとジョルジュは何とか阻止しようとするが、主人を慕う執事のマデルボスに邪魔される。案の定、音楽会は大失敗となるが、マルグリットは本物の観客の前で歌う喜びに目覚め、パリでリサイタルを開くと決意したのだ。マルグリットは有名オペラ歌手ペッジーニを教師に雇い、本格的なボイストレーニングに励み始める。

果たして、本人だけが知らない“秘密”は守られるのか?
そして、マルグリットのリサイタルの行方は──?